ノン・ネイティブ英語で世界の人たちとコミュニケーション
日本政府は観光立国を目指し、訪日外国人の数も増え続け、2020年には東京オリンピック開催など急激な国際化が進んでいます。ビジネスシーンでも年々英語の必要性が高まっています。 長年ビジネスシーンにて英語を使用してきた経験を通して少しお話しさせていただきます。 スマートなスーツに身を包みコーヒーを片手に、背の高い青い目の取り引き先と商談するなんて、まさに絵に書いたような一コマですよね。学校で習った英語もビジネス英会話の本にも想定されているシチュエーションは対西洋人がほとんどですが、実際のところはそうとも限りません。異なる言語、文化を持った人たちと英語という共通語で話すのです。
目次
英語のネイティブスピーカーはたった15パーセントだけなのです。
筆者は仕事を通じてさまざまな国の人たちと会話してきました。最初は独特の発音やイントネーションに戸惑い、彼らの英語を理解できない事も多々ありました。かといってネイティヴの英語なら完全に理解できると言う訳でもないのですが完全に別の言語に聞こえる事もあるのです。現在世界で英語を話す人口は20億人近く、英語のネイティブスピーカーは約3億人、英語が母国語ではないが英語を話す人が17億人です。ちなみにノン・ネイティブの代表的な人達はインド人、シンガポール人、フィリピン人です。 特にIT関係の仕事ではインド系の人たちが多く、私も彼らの独特の巻き舌で、なまりの強い英語を理解するのには苦労しました。ノン・ネイティブスピーカーの特徴
インド系(パキスタン人、バングラデシュ人を含む)
特徴的なのはRの発音で、どんな時も強く巻き舌で「ル」と発音します。Park(公園)がパルク、Air(空気)がエアル、Important (重要)インポルタントのように聞こえ、それが耳に残りRの発音が連続すると混乱してきます。同様にThの発音も強く「タ」と発音します。Thank youがタンキュー、Three と Treeが同じ「ツリー」に聞こえます。 使う単語は昔のイギリスのフォーマルな単語が多いです。フィリピン人
発音はアメリカ英語によせているのだが、どちらかというとカタカナに近い発音で日本人にとっては聞き取りやすい場合も多い。スペイン語なまりの英語に近い感じではないでしょうか。ただフィリピン英語として独自の単語が結構使われていて意味が分からない事もあります。シンガポール人
人口からすると、それほど特筆する程ではないが、エリートも多いのでビジネスの現場で話す機会も多いと思われます。また中国語、マレー語、タイ語などのアジアの他の言語を母国語に持つ場合、共通して語尾の子音は発音されない場合がほとんどです。 Car Parkがカッパーに聞こえたりするのは有名な話です。 ノン・ネイティブに共通して言えるのが難しい単語、イディオム等は使いません。シンプルで相手に伝えるのを目的とした英語なので、耳さえなれればネイティブスピーカーと話すよりも簡単です。多人種、他民族の中で互いのコミュニケーションの道具として使われている英語と私たちが欧米人に憧れて、それを真似る英語とは違いますが、17億人がノン・ネイティブスピーカーな現実を考えれば彼らの話す英語こそが世界共通語の英語なのかもしれません。ノン・ネイティブ英語の対策
まず基本ですが話す時は必ず相手の目を見て話しましょう。時に日本ではそれが失礼に当たったり、恥ずかしかったりもするのですが、世界的には普通の事ですし、目を合わせないと逆に悪い印象を与えかねません。何より相手の目を見て、顔を見て、口の動きや身振り手振りなどあらゆる情報を利用して理解しようとすれば必ず理解できるのです。 大前提として英語という同じ言語を話す訳ですから、そんなに難しくはないはずです。発音はネイティヴスピーカーに言わすと日本人よりも上手な場合がほとんどです。ただ必要以上に巻き舌で発音したり、イントネーションやアクセントのつけ方が独特だったりして最初はわかりずらかったりします。ただわかりずらいのはお互い様なので理解するための努力と理解してもらう為の努力は必要になってきます。ノン・ネイティブ英語を理解する努力
相手の発音がわかりにくい場合は相手の口の動きを見て下さい。 口唇術が出来る訳ではないのですが口の動きを見ると以外に聞き取れたりするものです。百聞は一見にしかず、目からの情報は真っ先に脳に伝達されるので、曖昧にしか聞き取れなかった言葉も口の動きから得た情報と耳から得た情報を脳が頭の中で結びつけてくれるので、それだけで相手が何を言っているか以前より確実にわかりやすくなります。世界の人に英語を理解してもらう努力
こちらが話す場合も同じです。相手が聞き取りづらそうにしていたら、気持ち口の動きを大げさにしてみてください。それだけで以外に通じたりします。発音はもちろん大事ですが、お互い違う母国語なので、どうしてもわかりにくかったりしますが単語ではなく、文章にして言うと伝わりやすくなります。 日本人は特に「L」と「R」の発音が苦手です。Riceとだけ言っても発音が悪ければ通じません。 Lice(しらみ)と聞こえてしまう可能性もあります。 しかし I want some rice (ご飯がほしいです。)と文章のカタチで言えば、前後の会話から「ご飯がたべたいんだな」と内容の予想がつくわけです。 たとえ発音が「Lice」だとしても「シラミを欲しい」とは思わないはずです。 流暢に英語を話せる方は別として、どうしても考えながら英語を話したりするのですが、必ず動詞までは言い切ってください。I……..want some rice. アイ..え~と… ウオント・サム・ライス
I want……..some rice. アイ・ウオント……えっ~と… サム・ライス
と動詞まで言い切った方が何倍も伝わりやすくなります。
互いにノン・ネイティブならイディオム等は極力使わずにシンプルな表現で話しましょう。これは子供っぽい英語ではなく、正しく意思疎通する為の英語、つまり世界基準の英語なのです。イディオムを間違えたり、相手が誤解したりするとビジネスでは大問題につながります。
Can you take part in the next meeting?
Can you come to the next meeting?
Can you let our clients know about the new products?
Can you tell our clients about the new products?
We need to come up with a solution for the problem.
We need to think of a solution for the problem.
上記のようにイディオムを使わずシンプルにCome, Tell, Thinkを使った表現が確実に意思を伝えられる英語なのです。
まとめ
英語が話せると、全世界の70億人中の20億人の人たちと通じ合えるようになるのです。そのうち17億人がノン・ネイティブスピーカーです。国際化が進むにつれビジネスシーンでは彼らと接する事は避けては通れません。 シンプルで簡単な英語を使うということが世界基準の英語に必要な考え方なのです。コミュニケーションですので相手に合わしてお互いに意思疎通できるように心がける事が大事ではないでしょうか。関連記事
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