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英語でビジネスを円滑に進める上で重要な3つの慣習の違い

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英語を学習し、外国人や海外企業とビジネスを進められているビジネスマン、ビジネスウーマンの方は多くいらっしゃいます。「英語でビジネス」というと、あたかも「英語を使って『グローバルスタンダード』という舞台で同じようにビジネスをしている」ように思われるかもしれませんが、ビジネス慣習には様々な違いがあります。単に「日本語」が「英語」になっただけではありません。

以下では、外国人、海外企業などグローバルでビジネスを進める方が知っておくべき3つの慣習の違いについてお伝えします。

「メールに返信がある」は当たり前ではない


「~について確認をお願いします」「~について返信ください」などといった内容で、日本のビジネスマンはメールを多用しています。メールの利点としては、後で文面をチェックできること、そして何かトラブルがあったときに「言った、言わない」を避けることができるため有用です。

しかし、外国人や海外企業とビジネスを行う際、まず驚かれるのがメールの返信率の低さではないでしょうか。メールを送って、2日経過しても返信がない。最速メールを送ったら「確認して返信します」と連絡があったが、その後2、3日経っても確認メールが来ない。そのようなことは、残念ながらよくあります。

では、なぜこのようなことが起こるのか。筆者の経験から以下の2つの違いがあるようです。

海外でのメール返信の違い1.年齢によって変わる

筆者の経験上、高齢になるほどメールの返信率は低くなります。例えば、1人で会社をやっている社長さんは、若い人であればメールどころか、LINEやWhatsAppなどのメッセンジャーで即座に返信をしてくれます。しかし、高齢の社長さんとなると、何度メールをしても返信がないので、近所に寄った際に、会社まで訪ねて行って返信を求めたこともありました(この社長さんは基本メールを見ない社長さんでした)。

海外でのメール返信の違い2.企業のサイズや属性によって変わる

筆者はこれまで、海外の従業員数10万人の大企業相手のビジネス経験もあれば、社長さん1人の零細企業相手のビジネス経験もあります。欧米系の外資系企業もあれば、日系企業の現地法人、台湾企業、中国企業、タイ企業、フィリピン企業、インド企業などとも仕事をしてきました。
経験上、きちんと返信をしてくれるのは、欧米系の大手外資系企業です。メールできちんとログを残しながらやり取りする、何か問題が起こったら返信していなかった自分の責任になりかねない(最悪クビになる)という切迫感があるためではないかと思います。また、海外の日系企業も、特に日本人幹部はしっかり返信してくれます。
次にきちんと返信をしてくれるのは、小さい企業の社長さんや企業の幹部です。会社を経営しているだけあって、お金に対しては真面目で、仕事に対する真剣さが高いと感じました。
そして、最も返信をくれないのは、現地資本の大手企業です。私が実際にビジネスをした企業を上げると、タイの銀行であったり、フィリピンの通信キャリア、そしてベトナムの軍関係の国営企業などでした。こうした企業は、よほどのことでもない限りクビにはならない、そして既にしっかりしたビジネスがあり既得権で運営されているため、あくせく働かなくても何とかなる、という空気が流れています。よって、真面目に仕事をしなくても良い、誰かが何とかしてくれる、面倒なことは避けようと多くの社員は考えているイメージです。

このように、メールに返信してくれないビジネスマンは当たり前のようにいるのです。こうしたビジネスマン相手にどう対応すればよいのか、次のチャプターで診ていきましょう。

海外では「電話」をこれでもかと言うほど多用する

日本では、若い人を中心に電話は嫌われる傾向にあります。「一方的に時間を取られる」「まとめて整理してのコミュニケーションができない」「集中力が中断される」などの理由です。

しかし、ここまで電話や通話を嫌うのは日本人だけではないでしょうか。海外ビジネスでは、日本人が思うよりずっと、年齢を問わず電話が多用されています。

日本人ビジネスマンの多くは、「メールが基本、何か問題があれば電話」というケースが多いので、電話がかかってくると「何かトラブルでもあったのかな」と思う方も多いかと思います。しかし、海外では「電話が基本で、やり取りを残しておく時だけメールを使う」というやり取りを好む人が多いようです。

この電話中心のコミュニケーションは、メリットとデメリットの両方があります。

例えば、「次の打ち合わせ何日の何時にしましょうか」というやり取りを、電話で行えば、相手からの返信を待つことなく即、日時が決定します。また、プロジェクトを進める上で、即答できる疑問点の確認なども同様に、即確認完了となるため、非常にスムーズです。簡単なことを即確認して、スピード感もって話を進めるという点では大きなメリットです。

逆に、「大きなプロジェクトを、メールやExcelを使って、スケジュールや役割を綿密に確認して進める」というものになると、支障が多かったです。多くの外国人ビジネスマン、特に東アジア・東南アジアなどの現地資本の企業で働いている人にとっては、綿密な管理を「難しい」と感じるためか、急に返信が遅くなる、また返信がなくなることが多々ありました。この点は大きなデメリットです。

筆者が以前、日系企業の台湾現地法人と仕事していた際、台湾人の雇われ社長が、あまりにもメールを見ずに電話ばかりかけてきて、綿密な管理に協力しようとしないので、怒りまくったこともあります(結局態度を改めないので一緒に仕事をすることを諦めました)。

では、電話もメールも完璧で、綿密な管理もしっかりできる人材は?というと、いるべき場所にはきちんといます。それは、「大手欧米系の外資系企業」「日系企業の現地法人」そして「ITベンチャー」です。
大手外資系企業であればメール、ベンチャー企業などであればメッセージアプリを多用して、文章でのコミュニケーションを好む傾向があります。実際のところ、メールでも電話でもしっかりとコミュニケーションが取れる優秀な人は、現地資本より給与水準の高い欧米系の外資系企業に入る、または独立して自分で会社を経営しています。

海外では国籍・民族・人種・性別関連の失言は命取り

1986年、当時の中曽根首相がアメリカ人を評して、「アメリカには、黒人とかプエルトリコ(プエルトリコ人)とかメキシカンがいて、そういうのが相当おって、(知的水準が)非常にまだ低い」と失言し、謝罪に追い込まれたことがありました。
2017年には逆に、アメリカのカーレース「インディ500」で優勝した日本人ドライバー佐藤琢磨について「日本人ドライバーの勝利を非常に不快に感じる」とTwitterでツイートしたスポーツライターが、批判され解雇されています。

日本では、国籍・民族・人種・性別の違いについて、まだまだ鈍感です。社員が失言した結果、会社のハラスメント相談室などに持ち込まれても、特に処分なく終わり、うやむやにされることがほとんどです。しかし、海外、特に欧米では、この手の対応を間違えると、上記のスポーツライターのように「即解雇」になります。

かつて筆者が勤めていた外資系IT企業では、年に一度「あらゆる差別を一切許容しない」という人事トレーニングがあり、終了後に同意する旨をサインしたことをよく覚えています。サインすることはすなわち、問題を起こしたら即解雇されても文句は言わない、の意味です。

私も実際、この手の発言をする場面に残念ながら居合わせたことがあります。日系企業の海外現地法人で勤務する日本人幹部が、「現地人は土人みたいなもので、全く役に立たない」と言ったり、日本で働く外国人に向かって、「おたくの国は何でもいい加減ですね。ひどい文化ですね」と言ってしまうような場面です。

こうした発言をしても、立場が強い人(経営者、幹部)が、立場の弱い人(普通の従業員)に対してした発言であれば、立場の弱い人が我慢をするので、当座問題は露呈しません。しかし、何かの拍子で必ず表面化します。

一例をあげます。とある日系企業のタイ工場で実際に起こった話です。50代の日本人工場長は、常にタイ人を馬鹿にしていて、日本語でタイ人ならびタイの文化の悪口を始終言っていました。この発言に気が付いたタイ語と日本語のバイリンガルのタイ人が、タイ人労働者に共有したところ、多くの人が怒り、結果として工場のストライキ、賃上げ要求、工場長の解任要求につながりました。

この会社では、海外の工場長を経験するのは、本社で役員になるための必要なステップだったのですが、事件により生産が遅延、その原因が工場長であることが判明したのです。結果、工場長は解任されて日本に呼び戻され、役員に就任することなく、定年退職を迎えて会社を去っていきました。

このような事態を避けるための手立てとしては、2つです。この手の発言は、「全くしない」か、「相手の国籍・民族・人種・性別を褒めるときだけにする」となります。

海外での慣習の違いを知れば対策が取れる

以上、海外での3つの慣習の違いについてご紹介させて頂きました。こうした違いがあるということ、そしてそれに対する対策を知っておくことで、的確で間違いのない行動をとって、ビジネスを円滑に進めるよう心がけましょう。

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