海外では常識。スーツの色による印象操作。第一印象を制するものはビジネスを制する。
スーツの色、TPOに合わせて無難な色を選んでいませんか?
「色」が相手に与える心理効果は、思った以上に大きいもの。
海外のビジネスマンにとって、ビジネススーツは戦闘服。
今回はALUGOより、スーツの色が与える印象と戦略的なセルフブランディングのコーディネート術をご紹介します。
目次
スーツの色が与える心理的効果を利用し、戦略的なセルフブランディングを
アメリカの企業で成功する秘訣は、Education(学歴)、Experience(キャリア)、Appearance(見た目)、の3つの要素にあるといわれています。見た目で人を判断してはいけない、とはいえ、第一印象はとても大切なもの。 日本人はスーツを選ぶとき、自分に似合う色かどうかはもちろん、TPOに即した無難な色味かどうかを考慮して選ぶ傾向にあります。
ところが欧米では、色による心理効果を効果的に用い、ビジネスシーンにおいて戦略的に相手へ与える印象を操作しているのです。
話していないときでも、常にメッセージを放っているのが、スーツの色。
スーツとネクタイを着用するという制約の中、また女性のようにモノトーンからパステルカラーまでの幅広いカラーバリエーションがない分、限られた制約の中、どのように相手へ好印象を残せるか、というのは重要な課題です。
アメリカ大統領選に見るパワースーツ
まずはこちらの画像をご覧ください。こちらは、1960年のアメリカ大統領選挙前に行われた、ケネディ氏とニクソン氏によるテレビでの公開政策討論会の様子です。 椅子に腰掛けた二人の男性を見て、どちらが大統領にふさわしいと思いますか? 当時は、副大統領であるニクソン氏(右)が優勢と言われていました。しかし、淡いグレイのスーツに白いシャツ、コントラストのないスーツを選んだニクソン氏。背景の色と同化し、疲れて老けたように見えますよね。
それに対し、年齢も政治経験も若いケネディ氏(左)は、当時はモノクロだったテレビでも色のコントラストがはっきりとしたネイビーのスーツに赤いネクタイを選びました。若々しく、かつ力強さやリーダーシップを感じさせます。
結果、有利であったはずのニクソン氏は敗れ、セルフブランディングをうまく操ったケネディ氏が逆転勝利、大統領となったのです。
現在もアメリカ大統領の勝負服は、ネイビーのスーツに赤ネクタイであることは、ご存じの方も多いかもしれませんね。
このように、パワースーツとは、自分の持っている力や権威を相手に感じさせる、ここ一番の勝負スーツのことを指します。 自分の有能さを強調したり、地位や役職の印象を高める働きをします。
現職のオバマ大統領は、褐色の肌によく映える白のシャツ、そして民主党のシンボルカラーであるブルーのネクタイを多く身につけています。 大統領就任演説など、情熱を語るときはレッドのネクタイを、信頼や落ち着きを示したいときにはブルーのネクタイ、と使い分けているようですね。
11月8日に予定されている大統領選挙では、 また、圧倒的な個性が注目のトランプ氏も、ネイビーのスーツに赤のネクタイというパワースーツに身を包んでいる様子を多く見かけます。
アメリカの大統領や議員には専属のイメージコンサルタントがついています。
これはファッションモデルのように似合うかどうかやトレンドに合っているかだけを考慮しているのではなく、演説の内容に合わせて、スーツの色やシャツ、ネクタイやポケットチーフ、カフスまでを選んでおり、色が有権者に与える影響、印象を加味し、イメージを操作し、セルフブランディングに役立てているのです。
The Power Suit:パワースーツ
パワーカラースーツの代表格といえば、ネイビーとダークグレイ。色が濃いほど、権威や信頼感を示すことができます。 間違いがないのはネイビー。どんな色ともマッチします。The Power Tie:パワーネクタイ
スーツの色を選んだら、次はネクタイを選びましょう。初対面のとき、会話をしているとき、一番最初に目が行くのはネクタイです。 ネクタイにおけるパワーカラーは、イエロー、ブルー、そしてレッドの3色。イエローは「活発・希望・若さ」を、ブルーは「信頼・誠実・知性・落ち着き」を、レッドは「前進・勝利・情熱」を表します。 スーツやシャツの色と対照的であるほど、より印象に残りやすく、相手に影響を与えるパワーカラーとなります。
ストライプやドットなど、小さめの柄が良いでしょう。花柄やペイズリー、幾何学模様などの大きめの柄は、好みが別れるのでここぞというシーンでは避けた方がベター。
The Power Shirt:パワーシャツ
最もフォーマルなのは白のシャツ。特に金融系の仕事にはぴったりです。 淡いブルーが最も好印象を与えやすく、ホワイトとの相性もバツグン。白地にブルーの柄、青地にホワイトの柄はどんな場面でも合います。The Power Shoes:パワーシューズ
派手なものや凝った靴である必要はありません。 シンプルな靴紐のついたレースアップシューズに、プレーントウ、ストレートチップ、ウィングチップなどのデザインがスーツにはよく合います。ビジネスシーンで最も使い勝手の良いおすすめのスーツの色は、ネイビーです。どんな場所やシチュエーションにもマッチします。 どのお店でもネイビーの品揃えは豊富。自分の肌や雰囲気に似合うベストな紺色を見つけることができるでしょう。
ネイビーが与える印象
ネイビーには男性らしさの「剛」と「柔」、両方の側面を持っていることに注目したいですね。 ネイビーは最も力強いパワーカラーであり、自信と権威の象徴です。 商談やミーティングを仕切りたいときや、人前でスピーチをするとき、大切なプレゼンのときなど、プロフェッショナルとして見られたいときにおすすめです。また、日本でお葬式は黒のスーツが定番ですが、海外ではネイビーのスーツがお葬式にもよく着られます。 先日のマンデラ大統領の追悼式でもオバマ大統領は濃紺のスーツにブルーのネクタイをしていました。 忠誠や信頼、尊敬を表す色だからです。
ネイビーのコーディネート術
誠実で知的、無難で埋もれやすい。ネクタイで個性を出したいところ。 淡い黄色は明るくポジティブ。オレンジは親しみやすさとアクティブ。同系色の水色は落ち着いたイメージ。相手を冷静にする効果もあるので、クレーム処理などに向いています。また、シャツやネクタイの色で個性を演出したい、流行に合わせてアレンジしたい場合、簡単スタイリングできるのも大きなポイント。
Charcoal Grey:チャコールグレイ
チャコールグレイはネイビーと同じくらい、使いやすい色味です。初めてスーツを買うなら、まずはネイビーとチャコールグレイを揃えておけば問題ないでしょう。 ビジネスにはもちろん、結婚式やお葬式などの冠婚葬祭にも使える色です。チャコールグレイが与える印象
若い男性が着たときに、実年齢よりも少し上に見える、というのもポイントではないでしょうか。 ネイビーのスーツは、若い男性が着るとより若くフレッシュに見えるのに対して、チャコールグレーにそのような働きはありません。チャコールグレイのコーディネート術
チャコールグレイは非常にスタイリングしやすい色です。 色味のないモノトーンカラーなので、どんなカラーとも合わせやすく、シャツやネクタイで遊ぶこともできます。無難ですが、着こなしによってはおしゃれに見えます。 ピンクは優しい。強面の人のイメージアップや、新人が上司から可愛がられやすい色。明るい緑は調和。チームをまとめたいとき。グレーの柄ネクタイをうまく合わせれば主張色が消える。発言したくないとき、目立ちたくないときにおすすめ。
Light Grey:ライトグレイ
チャコールグレイよりも明るめのライトグレイ。ライトグレイが与える印象
ネイビーやチャコールグレイに比べるとカジュアルな印象になります。 さらにより熟れて洗練された印象となり、力の入りすぎていないラフさも演出できるでしょう。ライトグレイのコーディネート術
グレイ系の色味の中でも、最も明るく薄い色味がライトグレイのスーツ。 春から夏、また秋にかけて、気温が高い気候にぴったりです。チェックやヘリンボーンなど、大きめの模様があってもおしゃれ。
Black:ブラック
黒のスーツが似合う男性は限られています。 特に白い肌、ブロンドや茶色などの明るい髪色を持つ欧米人にとっては、最も似合いにくい色。 落ち着いた色の肌と黒髪を持つ日本人にはよく似合う色なのです。ブラックが与える印象
ここ数年、日本ではスタイリッシュでモダンな黒のスーツがトレンドであり、特に20代の男性を中心にブラックスーツをよく着る方は多いのではないでしょうか? 黒は非常に洗練されたオシャレな雰囲気を持っています。また同時に真面目さ、誠実さを演出することもできます。ブラックのコーディネート術
結婚式やお葬式などの冠婚葬祭や、ビジネスシーンでもフォーマルな場面では使いやすい色です。 一着は持っておくと良いでしょう。黒の分量を多くすると、相手に気難しいなどの威嚇的な印象を与えてしまうので注意しましょう。 場を仕切りたいときなどは、ネクタイやポケットチーフなんど、全体のコーディネートを引き締めるアクセントとして黒を使うと効果的。
元の色が強いため、ネクタイの色を強調します。 赤は情熱や強い意志。アメリカ大統領が演説で熱意をアピールするときに使われる。 ダークな落ち着いた赤は女性に好感度が高く、デートなどに向いている。 青いネクタイは信頼感や冷静さ。
Dark Brown:ダークブラウン
肌の色や髪の色が暗いアジア人には比較的似合いやすく、色の薄い欧米人には似合いにくい、難しい色味です。 非常にカジュアルな印象で、フォーマルな場面では適さない色。ダークブラウンが与える印象
ブラウンは誰にでも落ち着きと安心感を与える色味。柔らかくソフトな印象を与えることができます。 それは、「茶色」がカジュアルな印象を与える色であることに加え、一般的に日本人の黄色い肌には似合いにくく、老け込んで見えることがあるためです。 男性ビジネススーツに「茶色」は不向きとされています。ダークブラウンのコーディネート術
はっきりとした色味と合わせると、望んだ効果が得られやすい。 暖色系の色と相性が良く、落ち着いたプロフェッショナルな雰囲気を演出したい場合は濃い赤を合わせると良いでしょう。 赤のパワフルな印象と、ブラウンの落ち着いた印象がちょうど良くマッチします。まとめ
スーツの色によって与える印象と効果をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか? セルフブランディングをしっかりと意識しつつ、色彩による心理的効果を存分に発揮しましょう。 スーツの色の知識がついたころで、それを英語で外国人の友人や同僚に話せるようになれるとさらにかっこいいですよね。関連記事
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